一般社団法人 本部運営型フランチャイズ協会
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本部運営型FC入門

フランチャイズの副業は「経営のみ」でできる?会社員が本部に任せられる範囲と3つの落とし穴

フランチャイズの副業は経営のみでできる?店長雇用型・運営委託型・投資型の比較

「本業は辞めたくない。でも、給料以外の収入の柱はほしい」。そう考えてフランチャイズの副業を調べ始めると、必ず出てくるのが「経営のみ」という言葉です。

会社員のまま、現場に立たずにフランチャイズのオーナーになることはできます。ただ、同じ「経営のみ」でも、本部がどこまで引き受けてくれるかは本部ごとにまったく違います。ここを確かめずに加盟すると、「経営のみのはずが、毎週末スタッフの面接をしている」ということが起こります。

投資型フランチャイズ協会を運営する株式会社マウイは、学習塾のFC本部を運営しながら、自社でも別業界のフランチャイズに加盟しています。本部とオーナー、両方の立場を経験してきた私たちの目線で、次の4つを整理しました。

  • 「経営のみ」の3つの型と、オーナーがやること・本部がやることの違い
  • 経営のみで失敗しやすい3つの落とし穴(私たち自身の失敗も含めて)
  • 会社員が加盟前に確認すべき7項目のチェックリスト
  • 経営のみに向く人・向かない人

フランチャイズの副業を「経営のみ」で始めることはできるのか

できます。実際、現場をスタッフや本部に任せ、オーナーは資金を出して数字を確認する、という形でフランチャイズを持っている会社員や経営者は少なくありません。

ただし、成り立つのは次の3つがそろったときです。

  1. 勤務先のルールで認められている:副業禁止の会社でも、運営に関わらない「投資」としてなら認められる場合があります。ただし判断するのは勤務先です。詳しくはサラリーマンが投資型FCを始める前に確認すべき副業規定にまとめています。
  2. 現場を回す人が自分以外にいる:店長を雇うのか、本部が運営するのか。ここが「経営のみ」の中身を決めます(次の章で詳しく説明します)。
  3. 黒字になるまでの資金がある:開業してすぐに利益が出るとは限りません。初期費用とは別に、運転資金が必要です。

このうち2つ目を見落としたまま加盟する人が、いちばん多いと感じています。


「経営のみ」には3つの型がある。オーナーがやることはこれだけ違う

募集ページに「経営のみOK」「副業OK」と書いてあっても、実際の中身は大きく次の3つに分かれます。

やること① 店長雇用型② 運営委託型③ 投資型
集客・営業本部の支援を受けてオーナー本部本部
スタッフ採用オーナー本部とオーナーで分担することが多い本部
スタッフ育成本部の研修とオーナー本部本部
日々の店舗運営店長(オーナーが管理)本部本部
数字の確認・判断オーナーオーナーオーナー
資金の手当てオーナーオーナーオーナー
オーナーの手間多い中くらい少ない
※一般的な傾向です。同じ型でも本部によって範囲は違うため、必ず契約書で確認してください。

① 店長雇用型は、普通のフランチャイズに店長を置く形です。オーナーは現場に立たなくても、採用・シフト・店長のマネジメントは自分の仕事として残ります。会社員の副業で選ぶと、平日の夜や週末がそのまま埋まりやすい型です。

② 運営委託型は、店舗の運営を本部(または本部指定の会社)に任せる形です。ただし「運営」に採用が含まれるのか、欠員が出たときに誰が埋めるのかは、本部によって分かれます。

③ 投資型は、営業・人材育成・運営のすべてを本部が担い、オーナーは資金を出して数字を確認する形です。私たちが扱っている投資型FCはこの型です。仕組みの全体像は投資型フランチャイズとは?通常FCとの違いで解説しています。

表を見てもらうとわかるとおり、どの型でも「数字の確認」と「資金」はオーナーの仕事として残ります。「経営のみ」は「何もしない」ではなく、「現場ではなく経営だけをする」という意味です。

検討中の本部が「どの型」か、わからないときは

募集資料や契約書を見ても判断がつかないときは、ご相談ください。本部とオーナー、両方を経験している立場から、どこまで任せられる契約なのかを一緒に確認します。

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経営のみのフランチャイズで失敗しやすい3つの落とし穴

落とし穴1:本部が「赤字でも困らない」契約になっている

経営のみのオーナーにとって、いちばん大事なのに見落とされやすいのがロイヤリティの計算のしかたです。

多くのフランチャイズでは、ロイヤリティは売上の何%、または月いくらの固定額で決まります。この場合、店舗が赤字でも売上さえ立てば、本部にはロイヤリティが入ります。現場を本部に任せている経営のみのオーナーからすると、「本部は自分の店の利益に本気になる理由が弱い」ということです。

私たちマウイが扱う投資型FCでは、ロイヤリティを売上ではなく営業利益から受け取る形にしています。オーナーの店が赤字なら、本部の取り分もありません。だから本部は、黒字にするために営業も採用も本気でやるしかない。経営のみで現場を任せる以上、本部とオーナーの利害がそろっているかを最初に確認してください。

落とし穴2:利益は出ているのに、お金が足りなくなる

これは、私たち自身が経験した失敗です。

マウイの代表・沓掛は、創業1期目に事業への投資を急ぎすぎて、手元の資金が常にぎりぎりの状態になりました。帳簿の上では黒字なのに、支払いのお金が足りない。いわゆる「黒字倒産」の一歩手前まで行きました。売上と利益ばかりを見ていて、手元のお金や借入を表す貸借対照表(バランスシート)を見ていなかったのが原因だったと、本人が振り返っています。

経営のみのオーナーも同じです。現場を任せていると、見るのは月次の売上と利益になりがちです。しかし開業直後は、利益が出る前に家賃・人件費・広告費が先に出ていきます。初期費用とは別に、数か月分の運転資金を必ず用意してください。目安の考え方は投資型FCの初期費用と自己資金の目安で解説しています。

落とし穴3:本部に任せきりで、本部そのもののリスクを見ていない

経営のみは、本部に頼る度合いが大きい仕組みです。裏を返すと、本部が傾けば、オーナーの店も一緒に傾きます。これは投資型FCを扱う私たち自身も、デメリットとしてはっきりお伝えしていることです。

だからこそ、加盟前に見るべきは「1店舗あたりの利益」だけではありません。本部が直営店で実績を出しているか、本部自体の経営は安定しているか、万一のときに契約をどう終えられるかまで確認してください。本部の見極め方はFC本部の失敗しない選び方(チェックリスト付き)、撤退や売却の考え方は投資型FCの出口戦略にまとめています。


会社員が「経営のみ」で加盟する前に確認する7項目

説明会や面談の場で、そのまま本部に聞いてください。答えがあいまいな項目が多い本部は、経営のみには向きません。

確認すること本部に聞く質問
1. 勤務先のルール(勤務先に)運営に関わらない出資なら認められるか
2. 任せられる範囲集客・採用・育成・運営のうち、本部がやるのはどれか。契約書のどこに書いてあるか
3. 欠員が出たときスタッフが辞めたら、誰が採用して穴を埋めるのか
4. ロイヤリティの計算売上から?固定額?営業利益から?赤字の月はどうなるか
5. 直営店の実績本部自身が同じ業態を運営して、黒字を出しているか
6. 運転資金黒字になるまでの期間の実例と、その間に必要なお金はいくらか
7. やめるとき中途解約・売却・本部の撤退時に、オーナーはどうなるか

特に2〜4は、経営のみかどうかを決める部分です。口頭の説明ではなく、契約書の文言で確認してください。


経営のみのフランチャイズに向く人・向かない人

マウイが運営するオーナーコミュニティ「Maui Owners」には、50名を超える経営者が参加しています(2026年5月時点)。中心は、年商1〜20億円規模の中小企業のオーナーと、余裕資金で2本目の収入の柱をつくりたい会社員です。そのなかで見えてきた、向き・不向きは次のとおりです。

向いている人向いていない人
生活費とは別の、余裕資金で始められる生活費や借金返済をこの収入に頼る予定
月に一度は数字を見て、本部と話せるお金を出したら完全に放っておきたい
本業の時間を削らずに、収入の柱を増やしたい自分で店に立って、商売そのものを楽しみたい
うまくいかない月があっても、本部と一緒に原因を考えられる短期間で必ず回収できることを前提にしている

右側に当てはまる人は、経営のみより、自分で現場に立つフランチャイズや、株式・投資信託などのほうが合っているかもしれません。合わない人に無理にすすめないことも、本部の大事な仕事だと考えています。


個人で持つか、法人で持つか

経営のみのフランチャイズを、個人として持つか、自分の会社(法人)で持つかも、早めに考えておきたいポイントです。2店舗目以降を考えるなら、融資を受けやすくする意味でも法人を検討する価値があります。

沓掛も創業当初は、税金を「払うのがもったいない」と感じていたそうです。しかし、きちんと決算を出して納税を続けることが金融機関からの信頼になり、次の融資、つまり事業を広げる力につながると身をもって知りました。法人のつくり方は1人1法人のつくり方で詳しく解説しています。


まとめ:「経営のみ」の中身を、契約書で確かめてから決める

  • フランチャイズの副業を「経営のみ」で持つことはできる。ただし勤務先のルール、現場を回す人、運転資金の3つが前提
  • 「経営のみ」には店長雇用型・運営委託型・投資型があり、オーナーの手間は大きく違う
  • どの型でも、数字の確認と資金はオーナーの仕事として残る
  • ロイヤリティが何から計算されるかで、本部の本気度が変わる
  • 黒字でもお金が足りなくなることがある。運転資金は初期費用と別に用意する
  • 本部そのもののリスクと、やめるときの条件まで確認する

「この本部の契約は、本当に経営のみで回るのか」「自分の資金で無理はないか」。一人で判断がつかないときは、お気軽にご相談ください。私たちが扱っている案件をすすめる場ではなく、まずは今検討しているフランチャイズの見方をお伝えします。

経営のみのフランチャイズ、まずは相談から

「任せられる範囲」「ロイヤリティの仕組み」「必要な資金」を、本部とオーナー両方の立場からお答えします。

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この記事を書いた人

投資型フランチャイズ協会(運営:株式会社マウイ)
代表 沓掛祥和(くつかけ よしかず)

慶應義塾大学卒業後、トヨタ自動車に入社。社会人野球で三冠王、社会人侍JAPANでは4番を務める。引退後、営業代行ベンチャーや独立リーグ球団の経営を経て、2024年に株式会社マウイを創業。学習塾FC本部の運営をはじめ、本部とオーナーの両方の立場からフランチャイズに関わる。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の投資を勧誘するものではありません。収益は業種・立地・運営状況により異なり、元本や利益を保証するものではありません。