一般社団法人 本部運営型フランチャイズ協会
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本部運営型FC入門

フランチャイズの失敗例6つと、借金を残す人に共通する原因。本部の立場から防ぎ方を解説

フランチャイズの失敗例6つ 売上予測・運転資金・固定費・人・本部・解約条件

「フランチャイズは失敗しにくい」と聞く一方で、ネットで調べると「借金だけが残った」「本部に聞いていた話と違った」という声もたくさん出てきます。どちらが本当なのか、加盟を考えている人ほど不安になるはずです。

私たち株式会社マウイは、学習塾のFC本部を運営しながら、自社でも別業界のフランチャイズに加盟しています。そして正直に言うと、創業1期目に自分たちの会社を黒字倒産の一歩手前まで追い込んだ経験があります。

本部の立場からは言いにくい話も含めて、フランチャイズでよくある失敗例と、その原因、加盟前にできる防ぎ方をまとめました。


フランチャイズの失敗率は?ネットで見る数字の注意点

「フランチャイズは○年で半分が閉店する」といった数字を見かけることがありますが、フランチャイズ全体の失敗率や廃業率を示した公的な統計は見当たりません。業種も、本部も、オーナーの関わり方もばらばらなので、ひとつの数字でまとめること自体に無理があります。

出どころのわからない数字に安心したり怖がったりするより、「失敗した人に何が起きたのか」というパターンを知るほうが、ずっと役に立ちます。失敗のパターンは、業種が違ってもかなり似ているからです。


フランチャイズのよくある失敗例6つ

失敗例何が起きるか加盟前の防ぎ方
1. 売上予測をそのまま信じた実際の売上が予測を下回り、計画が崩れる予測の根拠(どの店の実績か)を聞く
2. 運転資金が足りなかった黒字でも支払いのお金が足りなくなる初期費用とは別に数か月分の資金を用意
3. 赤字の月の固定費が重かったロイヤリティや家賃で赤字が広がる赤字の月にいくら払うかを計算する
4. 人が採れない・辞めるオーナーが現場に入るしかなくなる採用と欠員対応を誰がやるか確認
5. 本部の支援が名ばかりだった困ったときに相談しても動いてもらえない既存オーナーに直接話を聞く
6. やめたくてもやめられなかった違約金や契約の縛りで撤退が遅れる中途解約の条件を契約書で確認

ひとつずつ、もう少し詳しく見ていきます。

失敗例1:売上予測をそのまま信じた

加盟の説明会では、「この立地なら月商○万円」といった売上予測や収支モデルが示されることがよくあります。問題は、その数字が何を根拠にしているかです。

公正取引委員会の指針でも、本部が加盟希望者に予想売上や予想収益を示すときは、似た環境にある既存店の実績など、根拠のある事実や合理的な計算方法に基づくことが求められています。説明を受けたら「この数字は、どの店のどの時期の実績から出したものですか?」と必ず聞いてください。答えがあいまいなら、その予測は参考程度にとどめるべきです。

失敗例2:運転資金が足りなかった(私たち自身の失敗)

ここは、私たちマウイが実際にやってしまった失敗です。

創業1期目、代表の沓掛は事業への投資を急ぎすぎました。売上も利益も出ていたのに、手元のお金は常にぎりぎり。帳簿の上では黒字なのに、支払いのお金が足りない「黒字倒産」の一歩手前まで行きました。

原因は、売上と利益ばかりを見て、手元のお金や借入の状態を表す貸借対照表(バランスシート)を見ていなかったことだと、本人が振り返っています。

フランチャイズの開業でも同じことが起きます。開業直後は、売上が安定する前に家賃・人件費・広告費が先に出ていきます。加盟金や内装費などの初期費用を払い終えた時点で、手元のお金がほとんど残っていない。これが、いちばん多く、いちばん防げる失敗です。必要な資金の考え方は投資型FCの初期費用と自己資金の目安で解説しています。

失敗例3:赤字の月の固定費が重かった

売上に対して一定の率を払う「売上歩合」や、毎月決まった額を払う「定額」のロイヤリティは、店が赤字の月でも発生します。家賃やリース料と合わせると、売上が落ちた月ほど赤字が広がる構造です。

同じお店で方式だけを変えたとき、赤字の月にいくら残るのかを計算した例はフランチャイズのロイヤリティ相場はいくら?にまとめています。加盟前に、検討中の本部の条件で同じ計算をしてみてください。

失敗例4:人が採れない・辞める

店長やスタッフを雇って運営する形では、人の問題がそのまま売上の問題になります。店長が辞めた、アルバイトが集まらない。そうなると、本業がある会社員オーナーでも、自分で現場に入るしかなくなります。

採用や欠員対応を本部がどこまで引き受けるかは、本部によってまったく違います。任せられる範囲の違いはフランチャイズの副業は「経営のみ」でできる?で表にしています。

失敗例5:本部の支援が名ばかりだった

「充実のサポート」と資料に書いてあっても、実際にはスーパーバイザーがほとんど来ない、相談しても返事が遅い、ということがあります。フランチャイズは本部に頼る仕組みなので、本部が動かなければオーナーは打つ手がありません。本部そのものの経営が傾けば、加盟店も一緒に傾きます。

本部の資料や説明会の話だけで判断せず、すでに加盟しているオーナーに直接話を聞くのが、いちばん確実な確認方法です。紹介してもらえない本部は、その時点で慎重になったほうがいいでしょう。

失敗例6:やめたくてもやめられなかった

赤字が続いても、契約期間中の解約には違約金がかかることがあります。また、やめた後に同じ業種で商売をすることを禁じる条項(競業避止)が入っていることもあります。「傷が浅いうちにやめる」という判断ができず、借金が膨らんでいく。これが「フランチャイズで失敗して借金が残った」という話の典型です。

フランチャイズ本部には、契約前に契約内容の要点を書面で説明することが法律(中小小売商業振興法)で義務づけられている場合があります。中途解約の条件や違約金の額は、この書面と契約書で必ず確認してください。撤退や売却の考え方は投資型FCの出口戦略にまとめています。

検討中のフランチャイズ、この6つに当てはまっていませんか?

売上予測の根拠、運転資金、ロイヤリティ、解約条件。資料を見ても判断がつかないときは、本部とオーナー両方を経験している私たちが一緒に確認します。

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フランチャイズで失敗すると、借金はどうなるのか

開業資金を金融機関から借りていた場合、店を閉めても借入の返済は残ります。さらに、内装やリースの残債、契約によっては違約金が加わることもあります。

法人で加盟していても、代表者個人が借入の保証人になっていれば、返済の責任は個人にも及びます。「法人だから個人の財産は安全」とは限りません。借り入れの前に、保証の有無と条件を確認しておくことが大切です。

返済が苦しくなったときは、一人で抱え込まず、早めに借入先の金融機関や専門家(弁護士・税理士など)に相談してください。早く動くほど、取れる選択肢は多くなります。


失敗しない人が加盟前にやっている3つのこと

1. 本部の「直営店の実績」を見る

本部自身が同じ業態の店を運営して、黒字を出しているか。ここが最初の確認ポイントです。マウイも、FCとして紹介するものは、自社でも運営や投資をして「本当に良い」と判断したものに絞っています。選ぶ基準は「小型」「利益率が良い」「オーナーの手間がかからない」の3つです。本部の見極め方はFC本部の失敗しない選び方(チェックリスト付き)で詳しく解説しています。

2. 赤字の月の数字を先に計算する

本部が見せてくれるのは、たいてい順調な月の収支です。失敗しない人は、売上が予測の7割だったら、半分だったら、と悪い月の数字を自分で計算し、それでも資金が持つかを確かめています。

3. 「ここまで来たらやめる」ラインを決めておく

「赤字が○か月続いたら」「追加で○万円入れても改善しなければ」。始める前に撤退のラインを決めておくと、感情に流されずに判断できます。失敗が大きくなるのは、多くの場合「もう少し続ければ」と撤退が遅れたときです。

投資型FCで起きやすい失敗については、投資型FCの失敗事例から学ぶ3つのミスもあわせて読んでみてください。


まとめ:失敗の多くは、加盟前の確認で防げる

  • フランチャイズ全体の失敗率を示す公的な統計はない。数字より失敗のパターンを知る
  • よくある失敗は、売上予測・運転資金・固定費・人・本部の支援・解約条件の6つ
  • いちばん多く、いちばん防げるのは運転資金不足。私たち自身も黒字倒産の一歩手前を経験した
  • 店を閉めても借入の返済は残る。保証の条件は借りる前に確認する
  • 直営店の実績、赤字の月の計算、撤退ラインの3つを加盟前に済ませる

フランチャイズの失敗は、加盟した後ではなく、加盟する前の確認不足から始まることがほとんどです。迷っている段階のうちに、一度立ち止まって数字と契約を見直してみてください。

加盟する前に、失敗のタネを一緒に確認しませんか

検討中の本部の資料や条件をもとに、運転資金・ロイヤリティ・解約条件をチェックします。投資型FCのご相談もお気軽にどうぞ。

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この記事を書いた人

投資型フランチャイズ協会(運営:株式会社マウイ)
代表 沓掛祥和(くつかけ よしかず)

慶應義塾大学卒業後、トヨタ自動車に入社。社会人野球で三冠王、社会人侍JAPANでは4番を務める。引退後、営業代行ベンチャーや独立リーグ球団の経営を経て、2024年に株式会社マウイを創業。学習塾FC本部の運営をはじめ、本部とオーナーの両方の立場からフランチャイズに関わる。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の投資を勧誘するものではありません。収益は業種・立地・運営状況により異なり、元本や利益を保証するものではありません。法律・税務の取り扱いは個別の状況により異なるため、専門家にご確認ください。